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June 22, 2006 | プレイヤーと観客の幸福な関係
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「愛のあるブーイングを!」とはmorioさんの明言。プレイヤーの真摯な姿勢は観客を魅了し,観客の厳しい目はプレイヤーを磨く。プレイヤーはまずなによりも,金よりも名声よりも,マスコミ対策や評論家受けではなく,自分自身を全身全霊で表現することが肝要。観客も,単なる結果や形式に拘泥せず,にわか精神論や似非評論家ごっこではなく,プレイヤーが生み出すただただ美しく崇高な行為を全身全霊で感じ取るべし。・・・それはサッカーであってもスケートであっても,音楽であっても同じこと。
■二ノ宮友子:「のだめカンタービレ」, 講談社 Kiss KC,1~15巻 (上記画像は15巻より引用)【註1】
些か唐突に私事ではありますが,ぽた郎は学生時代,いわゆるクラシック音楽にどっぷりハマっておりまして,平均して月に3・4回はコンサートに行くほど,音楽に入れ込んでたりしました(嗚呼,昔は若かった・・・(笑))。ところが,あるときからぷっつり行かなくなってしまい,コンサートからも足が遠ざかって現在に至ります。コンサートに行かなくなったのは,クラシックが飽きちゃったというのと,仕事が忙しくて行けなくなったというのもありますが,今思い起こすと,あんまし感動できるコンサート(ライブ)に出会わなくなっちゃったから,という理由もあったのだと思い出しました。そうなのです。クラシックはライヴな感動が少ない。「感動」というと,昨今,メーターの針が振り切れちゃったような感動の押し売りが音楽界だけでなく映画界やスポーツ界でも蔓延ってて誤解を招きそうですが,私が欲しいのは「ブラボー!」というワザとらしい掛け声でも咽ぶような感涙でもなく,「思わず」背筋がゾクっとする身震いとか,「自然に」静かに広まるスタンディングオベーションとかそういうものです。これはもちろんプレイヤーの方にも問題があるかもしれませんが,観客もその責任を大きく負っていると思います。
なにしろ,クラシックのコンサートでは,どの演奏家もどの演奏に対しても判で押したようなお行儀のよい拍手(そして,最後の曲だけはアンコールをちゃっかり要求する盛大な拍手)。その一方で,やれ楽章の途中では拍手をしてはいけないとか,最後の一音の残響が鳴り止むまで拍手してはいけないとか,そういう暗黙のがんじがらめのルールばっかり。思い起こすと,某超有名外国オケが疲れた長旅の後に疲れたしまりのない演奏をしたにもかかわらず拍手喝采で,ヲイヲイ, 一万円も取ってこんな演奏で拍手しちゃっていいのかよ・・・と思ったり,マイナーなオケでマイナーな曲だけど,オケも渾身の演奏でこいつはスゲーぜっ!と思っても,メインじゃないからすぐ拍手が鳴り止んじゃって自分一人で最後まで一生懸命手を叩いてたり・・・,と「お行儀のよい」観客の反応にゲンナリすることがしばしばでした。毎回毎回,一律平等のお行儀のよい拍手と能面のような反応。一方でコンサート会場の帰り道では評論家風を吹かせたスノッブな方々が滔々と分析を披瀝する。そんなに文句があるんならちゃんとブーイングすればいいのに,そんなに絶賛するんならちゃんとスタンディングオベーションしてあげればいいのに・・・。これじゃあ,プレイヤーもやる気でないよね。プレイヤーと観客がせっかく同じ空間にいるのに,あたかもスタジオレコーディングをするような,あるいは自宅でオーディオ鑑賞をするような,そんな寒々しいコンサートはもうたくさん。そういう思いがぽた郎をコンサートから遠ざからせた一因ではないかと思います。
とまあクラシック(とそののコンサート)からすっかり足が遠ざかっていたぽた郎ですが,ご他聞に漏れず「のだめ」を読んで再認識。クラシック再評価です。モーツァルト狂の伯爵をして「ラヴェルって・・・いいな」,と思わず言わしめたように,しばしアンチ・クラシックだったぽた郎をして「クラシックって・・・いいな」,と漏らさずをえない深い感銘。いままで忘れててゴメン・・・,てなカンジ。思い起こせば,数少ないながら,ちゃんと私もシアワセな体験をしてました。休憩前のサブの曲なのに拍手が鳴り止まなくてそこでミニアンコールが始まったり,第一楽章が終わっただけなのに思わずパラパラと拍手が漏れて指揮者が指揮台から降りて丁寧にお辞儀をしたり,怒涛のフィナーレでそのまま怒涛の拍手になだれ込んじゃったり・・・,と稀に熱い「ライブ」に遭遇したこともありまた。あるいは教会で行う小規模アンサンブルの慈善コンサートなどでは,ホンマにプレイヤーがのびのび楽しく弾いていて,ヴァイオリンからヴィオラへ本当ににっこりアイコンタクトをしながら旋律を受け渡したりするのを目撃したことがあります。ヴァイオリンの弦が切れて演奏が一時中断したハプニングの最中,リコーダー奏者がやおら即興曲を披露して曲の途中で大絶賛の拍手があったこともありました。そういう幸福な一体感を経験すると,やっぱりコンサート(ライブ)って病みつきになるのよね~。愚かにもぽた郎はそれをすっかり忘れてました。のだめ,ありがとう。
15巻で描かれたのだめの記念すべき初リサイタルで,奇しくも彼女が発した挨拶は「楽しんで演奏するので,みなさんも頑張って聞いて下サイ」。この言葉こそがこのマンガの本質を,そして人気の秘密を端的に象徴していると言えるでしょう。(そしてそれと見事なまでにコントラストをなすのが,9巻のコンクールでの無残な敗北。コンクールの結果ではなく,自分自身を見失った哀れなのだめ。) 観客を魅了するのは,結果でも点数でも分析でも評論でもなく,自分自身を表現する喜びを全身で表しているひたむきなプレイヤー(演奏者・選手)の姿に他ならないのデス。いい演奏をしているのだめは本当にいきいきと楽しそうで,観客もそれに知らずのうちに引き込まれ魅了されるしかありません(引用図参照)。ほんとうに全ての時間と全ての空間が彼女のために在り,彼女も観客もただただその一瞬の邂逅に感謝するしかない・・・,そういう幸福感。それは所詮,デフォルメが可能なマンガの世界だから,という批判も当然あるでしょうが,やっぱり現実の世界でもそういう幸福なプレイヤーと観客の関係は,確実に存在するのです。
「この際内容はどうでもいい。結果しかない。」なんて情けないこと言うなよ。そんなタワゴトを言ってるプレイヤーを誰が楽しんで観るというの? そんなくだらないことを要求する観客に対して誰が真剣にプレイすると思うの? もっと純粋な目で(耳で)鑑賞しようよ。おらが国が勝つとか負けるとか,そんな瑣末的なことでわけのわかんない一体感を持つより,もっと本当に美しいプレイを,幸福な瞬間を,自分の目で見つけようよ,みんな。(・・・アレ?音楽のハナシをしてたんじゃなかったっけ?(笑))
続きもあります。>>|
February 18, 2006 | ギリシャ,プチ予習ちう。
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Καλησπερα! 来週からアテネです。いや,オリンピックじゃなくて(ってそれはトリノか)。いちおう仕事です,仕事。今回も会議でほぼ全日程カンヅメなんで,あんまし観光とか出来なさそうですが,地図で見るとアクロポリスとかアテネ市街のど真ん中にあるし(大阪城公園みたいなもんかな?)フラリと散歩にいけそうかも。今回は珍しくヒコーキもホテルも大夫前に取ったし,ロンリープラネットも買ったし,比較的旅支度は順調です。今回こそ直前にドタバタせずに済みそうかも(笑)。
で,今日は晩飯のBGMにぽた家所蔵音盤の中から数少ないギリシャ関係CDをかけ,予習ちう(いったい何の?)。それにしてもギリシャ関係,掻き集めて見るも,少ないなー。アンゲロプロスのサントラが数枚,パニアグアの古代ギリシャの音楽(これは正確にはギリシャの音楽と言えるかどうか・・・),純粋なギリシャ民謡はたったの2枚!・・・うーむ。少ない。少なすぎる・・・。これはアテネでしこたまアヤしいCDを買い付けてこなければっ(笑)。
それにしても,ぽた家所蔵のギリシャ音楽って,どれも暗い。渋い。物哀しい。はっきり行ってマイナー(短調)です。どよーんとした雰囲気。確かにぽた郎の脳内イメージでは,ギリシャって,青い海!白い家!・・・ではなく,どよーんと垂れ込めた低い雨雲だったり,雪のそぼ降るオリンポス山だったり,対ナチ・レジスタンスとか軍事独裁政権とか,なんかくらーい寂しーいイメージばっかり。それって偏見? たぶんアンゲロプロスの映画の見過ぎなのかも知れません(笑)。それにしても,まさにこの時季ギリシャに行くにはぴったりのイメージかも。日本の観光ガイドには,ギリシャも四季がありますよ,雪も降る季節もありますよ,って盛んに注意書きがしてあるのですが,それってあったりまえやん,って思うぽた郎の方がヘンなのかなぁ。
などと,つらつら書庫を家捜ししてたら,なんと,ガビーン,写真の如く,まーったく同じCDが二枚も発掘されちゃったりして・・・。ぽた子さんに「自分の頭で覚えきれないんだったら,そろそろCD買うのやめにしたら〜」とまた白い目で見られちった。(-_-; ちなみに写真のにやけたおっさんはVassilis Tsitsanisという今はなきギリシャの国民的英雄・ギリシャ民族音楽の巨匠です(おっさん言うたら失礼ですな)。ブズキ bouzouki というギリシャの民族楽器の第一人者。哀愁漂う演歌調のまさに心なごむ素朴な「民謡」です。ウゾをひっかけながら飲むのに最適〜。・・・さて,ということで,こんなCDでも,もしお好きな方がおられましたら,先着1名さまに差し上げまーす。ただし,ぽた郎のお知り合い(いままでリアルorネット上でお話したことある方)で,直接手渡し出来る方(関西近辺,東京・名古屋・福岡であればそのうち出張の予定アリ)限定。お代は結構ですが,パブかバーで一杯おごって下さい(そっちの方が高くつくカモ)。あるいはお菓子とか自転車とか(?)物々交換でもOKでーす。
あれ?デジャヴ? 前にも似たような記事があったよーな(笑)。
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August 20, 2005 | 幼少の砌,クラシックなぞ・・・。
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自慢じゃないけど,ぽた家(=ぽた郎&ぽた子)はいわゆるクラシック音楽のCDをほとんど持ってません。枚数にして20枚くらい。所有音盤全体からするとわずか1%程度。少なー。(ただし,ぽた郎の超極私的定義でバッハ以前とウェーベルン以降は「クラシック」としてカウントしておりませんのでご了承を(笑))でもって今日は実家に泊まってるんで,ぽた父のクラシック・コレクションを PowerBook の iTunes にガバガバ焼いてます。久々にちゃんと聴くクラシックは悪くないな〜,うん。インバルのマーラーはアッサリしてて繊細で美しい。ヨーヨーマは若い頃より音がエッチになってきたよね〜。渡辺暁雄+日本フィルのシベリウスなんて最高。シベ7なんて涙なしには聴けないよー。ぎゃぼー。
で,写真はぽた郎が幼稚園から小学生のころよく聴かされていた(自分から好んで聴いていた)「子供のクラシック」というLP全集。まだ実家にありました。すごい。最近ぽた郎妹に子供が生まれたんで,ぽた郎父は親バカならぬジジバカでこれを赤ちゃんに聴かせてるのですと。赤ちゃんにLPを聴かせるとは,これまた渋い。デジタライズされたCDやMP3の音を聴かせるより情操教育にはよさそう。でも子供のころからクラシックばっかり聴かせ続けると,大人になってクラシック嫌いになっちゃってジャコパスとかイーノとかはにわオールスターズとかそんなんばっか聴く偏った人間になっちゃいますよ・・・(ん?誰のこと?)。ご利用は計画的に。クラシックはほどほどに。
【註】この記事は「はてな日記」に書いたものをコチラに移動させました。
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July 11, 2005 | 久々にマーラーを聴く
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出張帰りに時間があったので久々にタワーレコードに寄りました。最近,職住接近はよいのだが,繁華街に出ること自体が少ないんであんまし文明的生活をしとりません・・・。というわけで,今日は久々にタワーでCDをドカ買い。こうやって数ヶ月にいっぺん,まとめて買うのだ〜。それぞれのアルバムの感想はまた機会があれば徐々に。ということで,今回はマーラーについて。
■MAHLER The Complete Symphonies, Brilliant Classics
実は幼少の砌(笑)にクラシックなんぞにハマってましたが,ここ10年ぐらいはすっかりご無沙汰しちゃって,全くといいほど,それこそ拒絶に近いほど聴いてなかったぽた郎です。(ちなみにぽた郎の極私的定義によると,「クラシック音楽」とは19世紀の音楽,すなわち「古典派」と「ロマン派」のことを指し,バロック音楽(バッハ以前)やウィーン学派(ウェーベルン以降)はクラシックではなーい!と勝手に考えてマス。)クラシックって,特にオーケストラって,五月蝿いんですよね。疲れるんですよ,聴いてると。学生時代はパワーありまくりだったから,いろいろ精力的に聴いたけど,情報量が多すぎてタイヘン。聴くにも結構体力使います。(ええ,軟弱者なんで・・・。(^^; )
というわけで,「いわゆるクラシック」のCDは殆ど実家に置いて来ちゃったので(例えばマーラーだったら全集が3セットくらいあったかな〜),殆どぽた家には存在しないジャンルだったのですが,極々たまーに脳内音楽でフト突然かかることもあり,さすがに10年も聴いてないと少し懐かしくなったりするわけです。で,今日,タワーレコードでボックスが超安く出てたんで,思わず衝動買い(またの名をオトナ買い)してしまいました。久々にちゃんと聴くマーラーもいいもんですね〜。
このボックス,あちこちのレーベルからかき集めたものなので(ブリリアントのよくやるワザ),指揮者の傾向やオケの音の作り方もバラバラですが,まあそれなりにどれもちゃんとした演奏で好感が持てます。マーラーだったらやれ緻密なシノーポリだの,迫力のバーンスタインだの,マニアックな聴き方もありますが,なんかそういうのにも飽きちゃったので(あ,でも個人的にはエリアフ・インバルのあっさりした解釈も好きー,とかマニア魂がちょっと蘇っちゃったり),こういうお手軽ボックスは有り難いデス。
というわけで,久々にマーラーをかけまくってます。今聴いてるのは6番の「悲劇的」。マーラーの中ではこれが一番好き。これを聴くと,ケン・ラッセルの映画を思い出しちゃいます。しかし,やっぱりブログとかを書きながらのBGMには必ずしも向かんなー(笑)。今,iTunesにせっせと入れてるんで,明日の出張の新幹線の中でも聴こう(iPod持ってないけど,PowerBookは持ってくんで)。9番あたりがいいかな。弾丸列車の中で目を瞑って聴くマラ9。・・・厭世ムードたっぷりで仕事する気なくしそう(笑)。
ところで余談ですが,こうやってクラシックの曲をiTunesに入れて改めて気づいたんですが,iTunesって,ポップスやジャズなんかの短い曲には向くけど,クラシックにはつくづく向かんなー。ライブラリに入れると楽章の順番とかぐちゃぐちゃだし,アタッカで次の楽章に入るのなんかどう制御するの? それに曲がディスク2枚にわたるときに「アーティスト」や「アルバム」の名前がバラバラだったり・・・もうむちゃむちゃ。iPod&iTunesでクラシック聴いてる人ってどうやって整理してるんでしょ? コツとかノウハウとかあるんかなー? てゆうか,やっぱりiPot&iTunesでクラシック聴くこと自体がムリがあるのか?(^^; どなたか,おせーて下さい。
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July 03, 2005 | 塚本邦雄,雨の日曜のサティ,倉橋由美子
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雨の日曜日。どこかに出かけるのもおっくうなので,家でダラダラ過ごす。こんなに自由な時間をもてあましてみるのは,実に久々だ。ヒマにまかせて先日,京都の「アスタルテ」で買ってきた塚本邦雄の本を読む。
■塚本邦雄:「玉蟲遁走曲」,白水社 (1976). (絶版)
やはりこの人は只者ではない。ワーグナーと斑鳩,カルミナブラーナと梁塵秘抄,レオ・フェレから西條八十まで,時空を自在に往還する。旧字体旧かなづかいで,居合い抜き的辛口評論を展開する好々爺。元?ワグネリアンらしい氏であるが,エリック・サティに関しての微笑ましい論評があった。引用しよう。
エリック・サティは恐らくワグネリアンやベートーヴェン病患者やモーツァルティストには鼻持ちならぬ存在だらう。そして彼らを顰蹙させることが,結果的にはサティの目的だつたとも言へよう。音楽は哲学ではない。まして宗教などであらうはずもない。あの大層な情念の熱気,あの荘厳無比の理念と表白,不可解,不可批評の形而上学,それらの仮面がサティには耐へがたかつた。それらの恐るべき先入観と属性に汚染された音楽を,新鮮な大気(エール)と調べ(エール)に還元し,人人の<明暗(あけくれ)の額 = musique tous les jours>を創らうと考へたのだ。(原文は旧字体)雨の日曜日のアンニュイな午後,音楽をかけるのも億劫な気怠い気分の中で,突如,頭の中でサティが鳴りはじめた。そういえばぽた家書庫にもサティの音盤があったはず。そう思って書庫を家捜しすると・・・,おお,あった。ありました。サティ全集。そーいえばこんなん昔買ったっけね。いつ買ったかもう覚えておらん。それぐらい昔。
■ERIK SATIE, L' Oeuvre pour piano, Aldo Ciccolini (piano), EMI Classics CDS 5 55076 2(五枚組)
さっそくiTunesに焼き,テンポの遅い曲を選んでボリュームを絞ってかける。Gnossiennesとか,Vexationsとか,Deux petits choralsとか。日曜日の読書のBGMには最適な音楽。
サティをかけながら塚本邦雄を読む。そういえば,倉橋由美子もサティが好きだったっけな・・・と思い立ち,またまた書庫に降りてゆく。ああ,ありました。そのままずばり,「最後から二番目の毒想」。
■倉橋由美子:「最後から二番目の毒想」,講談社 (1986).
こちらは特に音楽評論(エッセイ)ではなく,文芸評論。改めて読み直すと,やはり倉橋女史ならではの毒のある,しかし愛のある辛口批評。あとがきから少し引用してみる。
最後にこの本のタイトルについて書いておくと,サティの愛好者ならすぐにお気づきのことと思うけれども,これはサティのピアノ曲「最後から二番目の思想」によるものである。(中略)私の書くものはほとんどが毒薬である。ただし,服用すれば正気に返るという効用のある毒薬である。それで,この本の中味を簡単に言えば,「いつも惰眠を貪っているふとりすぎた脳細胞を目覚めされるための毒言集」ということになる。もちろん,これもサティの「いつも片目をを開けて眠っているふとった猿の王様を目覚めされるためのファンファーレ」に倣ったものである。残念ながら,長すぎて本の背表紙に収まりそうにないので,タイトルにするのは諦めた。
日曜日の午後,BGMのサティを介して,二人の作家が繋がった。二人の作家の(そしてもうひとり作曲家の)共通点は,妖しく甘美な毒,棘のある美しい華,というところだろうか。ヨーロッパのカラリと乾いた思想と,アジアのしっとり湿った情念を適度に往来する二つの巨匠。奇しくもお二人とも,つい最近相次いでお亡くなりになられたばかり。改めて,この二人の後を継ぐ者がいるかと憔悴しつつ,一つの時代が終わったことに愕然としつつ,ご冥福を祈ります。
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February 25, 2005 | MVSICA PRO VITA NOVA
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ぽた郎妹夫婦に子供ができたので(生まれたのはちょっと前のハナシですが),遅まきながら出産祝いのプレゼントを贈ることにしました。リクエストもあったので,またしてもオリジナルCD。昨日の東京行きに合わせて徹夜で夜なべして作りました。今回は2枚。にぎやかい曲とおとなしい曲,バロックとジャズでそれぞれ固めました。前回とは打って変わって,超メジャー曲ばかりを集めてみました(そのうち何局かはぽた郎妹の結婚式で使った曲も混ぜときました)。今回は「マニアックに育ちそう」とか「理屈っぽい子になりそう」とは言わせまい(笑)。素直な子に育つといいですね〜。(^^)
■Music for Joy (Baroque Anthology)
1. Georg Philipp Telemann: Sonata No.1 in F major for 2 recorders, by Clas Pehrsson and Dan Laurin, recorders, from BIS (BIS-CD-334)
2. George Frideric Handel: Music for the Royal Fireworks -- Ouverture, by English Baroque Soloists conducted by John Eliot Gardiner, from PHILIPS (PHCP-9015)
3-5. Georg Philipp Telemann: Trumpet Concerto No.1 in D Major, by Nkilas Eklund, Baroque Trumpet, The Drottningholm Baroque Ensemble conducted by Nils-Erik Sparf, from NAXOS (8.553531)
6. Georg Philipp Telemann: Ouverture in C Major (Water Music), by Musica Antiqua Koln directed by Reinhard Goebel, from ARCHIV (413 788-2)
7. Johann Sebastian Bach: Ouverture No.3 in D Major BWV 1068 -- Air, by Musica Antiqua Koln directed by Reinhard Goebel, from ARCHIV (POCA-2102)
8-10. George Frideric Handel: Organ Concerto Op.4 No.6 in B flat Major, by The Amsterdam Baroque Orchestra directed by Ton Koopman, from ERATO (4509-91932-2)
11. Johann Sebastian Bach: Brandenburg Concerto No.5 in D Major BWV 1050 -- Allegro, by Musica Antiqua Koln directed by Reinhard Goebel, from ARCHIV (POCA-2102)
12-15. Johann Sebastian Bach: Goldberg Variations -- Aria and Variations 1-3, by Pieter-Jan Belder, harpsichord, from BRILLIANT CLASSICS (99702/11)
16-17. Johann Pachelbel: Canon & Gigue D Major, by Musica Antiqua Koln directed by Reinhard Goebel, from ARCHIV (437 089-2)
■Music for Ease (Jazz anthology)
1. Waltz For Debby (Take 2), by Bill Evans Trio, from "Waltz For Debby", RIVERSIDE (OJCCD-210-2)
2. Waltz For Debby (Take 1), by Bill Evans Trio, from "Waltz For Debby", RIVERSIDE (OJCCD-210-2)
3. Some Other Time, by Bill Evans Trio, from "Waltz For Debby", RIVERSIDE (OJCCD-210-2)
4. Say It (Over & Over Again), by John Coltrane Quartet, from "Ballards", Impulse! (MVCJ-19031)
5. It's Easy to Remember, by John Coltrane Quartet, from "Ballards", Impulse! (MVCJ-19031)
6. Sad Eys, by Andre Previn Trio, from "Like Previn!", CONTEMPORARY (OJCCD-170-2)
7. No Words for Dory, by Andre Previn Trio, from "Like Previn!", CONTEMPORARY (OJCCD-170-2)
8. Walz for Ruth, by Charlie Haden and Pat Metheny, from "byond the Missouri Sky", Verve (537 130-2)
9. First Song, by Charlie Haden and Pat Metheny, from "byond the Missouri Sky", Verve (537 130-2)
10. When I Fall in Lave, by Keith Jarrett Trio, from "Keith Jarrett at the Blue Note", ECM (1577)
11. Summertime, by Red Garland Trio, from "All Kinds of Weather", Prestige (OJCCD-193-2)
12. 'tis Autumn, by Red Garland Trio, from "All Kinds of Weather", Prestige (OJCCD-193-2)
13. What a Wonderful World, by Lous Armstrong, from "What A Wonderful World" DECCA (MVCR-20063)
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December 23, 2004 | ライヒ,ミニマル,英会話
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先日買ったスティーヴ・ライヒのCDについて,ちょっと書いてみようと思う。ライヒについていつかは書かねば,と思っていたが,ちょうど良い機会。
今回のアルバムはライヒの新作ではないが,やはり,見たら買ってしまうのはライヒ中毒の性(さが)か。ぽた子さんには,「その曲,持ってるじゃないの〜っ」と文句言われつつも,やはり,ライヒだったら買う。それがコレクター魂というもの。(笑) オリジナルの弦楽四重奏版に比べ,弦楽オーケストラはかえって透明感が増してマイルドな聞き心地になるし,フランスのオケらしい華やかで軽やかな金管の響きはライヒ的ミニマルの新しい側面を見せてくれる・・・,なーんてマニアっぽい批評を思わず書いてみたくなっちゃう程だ。ま,そんなことはどうでもいいけど。
閑話休題。だいぶ前になるが,@nakさんのブログに英語のイントネーションについて,コメントが載っていたのを思い出した。そう,イントネーションが大事ですね,英語の喋りは。ぽた郎はあんましちゃんとした英語教育は受けてないので完全に自己流の勉強しかしてないのだが,英会話に限って言えば,これまで一番役に立った教材というのが,実は何を隠そう,コレ。スティーヴ・ライヒの「Different Trains」なのだ。
ライヒの1988年の作品「Different Trains」は,彼のバイオグラフィーの中でもターニングポイントとなる作品である。それまでメロディーというものの存在しない抽象的なパターンやリズムなどの反復によって構成されてきた,まさに抽象絵画のような彼のミニマル的手法が,この作品からはコンセプトが大きくシフトし,人間の声,しかも物語性やメッセージ性を強めた作品に移ってきたからだ。もちろん,人間の声を素材に使っても,ライヒ的ミニマル要素はまさに「ライヒ的」以外の何者でもない。手法的には,むしろ処女作の「It's Gonna Rain」に先祖帰りしたような形だ。インタヴューで採取した人間の声,それを執拗に強迫観念的に反復させる。しかもこの作品では,楽器が人間の台詞をユニゾンでなぞって行く。まるで本人の見えざる内心の声のように・・・。
百聞は一見に如かず。まずは楽譜を見てみよう。ライナーノートにも載ってる出だしの一節。

ちなみに,サンプル音源は amazon.com の方にもあるので,興味のある方はどーぞ(リンクページの下のほう,「Listen to Samples」の一曲目「1. Different Trains: America - Before the War」がソレ)。この楽譜を見ながら,初めてこの曲を聴いて,ぽた郎は愕然。「な,なんと! 英語って楽譜に表せるんだったのかぁぁぁ〜っ!」(@o@) 「こんなん,学校や参考書では教えてくれん〜っ!!!」
・・・つまり,英語(やその他のヨーロッパ系言語)のイントネーションは,音楽と同じなのだ。いや,音楽そのものと言ってもよいかもしれない。そりゃあ当たり前だね,冷静に考えれば。むしろ,日本語を西洋音楽のフレーズに無理矢理当てはめる近代以降の歌唱法が不自然なのであって(余談だが,日本音楽のよき伝統を完全に分断した最大の戦犯は文部省唱歌であることは,意外と知られていない),英語圏の人はまさに歌うように喋り,喋るように歌うということを,ダウランドからパーセルを経てビートルズに至るまで,ずっと何百年と続けてきたのだ。普段喋ってることが楽譜にできちゃうということも,なるほどうなずける。確かに,それをほんまに忠実にやってのけちゃったライヒって,やっぱりすごいヒトだと思うけど。
「Different Trains」では,直訳すると「さまざまな列車」と言う通り,戦前のアメリカの(恐らくライヒ自身の幼年期の)幸せな旅行の体験("from Chicago to New York"..., "one of the fastest trains"..., "different trains every time"...)と,ほぼ同時期に大陸の向こうで起こった悲惨な出来事("on my birthday"..., "Germans invaded Hungary"..., "You must go away"..., "Lots of cattle wagons there"...)の物語が交差して進行する。インタヴューの台詞がテープループによって執拗に繰り返され,弦楽四重奏(今回のCDでは弦楽オーケストラ)がその声をなぞる。インタヴューの台詞は感情が抑制された淡々とした語りのはずなのに,音楽も決して安易に感動を押し売りするロマン主義的な手法ではないのに,それだからこそひしひしと伝わる切迫感と共感。台詞が繰り返し繰り返し強迫観念的に反復されることによって生まれる緊張感。素材としても手法としても構成としても,まさにライヒの円熟期の始まりと誰もが言わしめるに足る大作である。そして,その手法はその後の「The Cave」や「Three Tales」と言った超大作に受け継がれて行く・・・。
この曲を繰り返し聴くうちに,ぽた郎はいつしか,楽器を奏でるがごとく,歌を唄うがごとく,英語を喋ることを心掛けるようになった。相変わらず"r"と"l"をうまく喋り分けることはできないけど。それでもまあ,ジャパニーズ訛りのベタな発音からは少しは脱却できたのかな,と自分では思う。英語はイントネーション。言い換えれば,リズムと音程。そう,五線譜で書けるのです。そう考えると,英語の発音って,結構お気楽に勉強できますよね・・・?
というわけで,皆の衆,ライヒを聴くべし! 結局,それが今回の結論。(笑)
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December 05, 2004 | 沖縄の収穫
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今回の沖縄はたった二泊三日の出張だったんで,沖縄を堪能する時間は殆どなかったんですが,仕事が終わってからほんの1〜2時間,ダッシュで国際通りをブラブラし,とりあえず獲物をゲットしてきました。(^^; 今回は念願のカンカラ三線(サンシン)。色はもちろん「黒」です,ハイ。楽器としてはちゃんとしたものを買うべきなんでしょうが,そうすると数万はしちゃうし,もし忙しくてほったらかしになっちゃったらもったいないし・・・ということで軟弱にお土産用のカンカラにしました。ヒマを見つけて爪弾いて,ちょっと上達するようになったら,ちゃんとした三線を買おう。(いつになるやら・・・。)
CDの方は,国際通りの高良レコードさんに沖縄民謡視聴用に300連奏のCDチェンジャーがおいてあるので,これまたダッシュで選曲しまくりで,気に入ったCDを見つけてきました。やはりサンプルCDが聞けるのがありがたい〜。というわけで今回はもちろんハズレなし。(^^)v
■首里フジコ Stormy Weather,247Music, DECD-0004.
このヒトの声はなんとも言えない魅力があります。ハスキーで艶やかでエロティックな声。ボサノバともジャズとも島唄とも言えるようで言えない,それらが全てミックスしたクレオール的な音楽。すばらしい〜。大アタリです。
■神谷千尋 美童しまうた,blue inc., MYCD-35001.
これもサンプルCDを視聴しまくって決めました。若いおねーさんの島唄が聞きたくて。(^^; 正確には純粋な島唄ではなく,オキナワン・ポップスですが,歌唱力が抜群で実に島唄っぽい鄙びた感じがよいですね。こういうの好き。
■てぃゆむたきどぅん 種子取祭奉納舞踊曲,Kokusai Boueki, KOKU3-0017~0018
日本三大秘祭のひとつとも言われる(たぶん)竹富島の種子取祭(たねとりさい)の奉納舞曲を収めてある全2枚組のCD。これはフォークロア的にも貴重! 民族音楽ファン垂涎。ゆる〜い時間が流れます。ああっ,竹富島,行きて〜〜〜っ!
■七月エイサー,マルフクレコード, ACD-9.
エイサーのCDって実はあんまし持ってなかったんで,買ってみました。それに,このエイサーは謡が嘉手苅林昌さんなんだわー。こりゃもう,買うしかないでしょう!っていうか,なんで今まで買ってなかったんだ!っていうスグレもののCDです。
■よなは徹 プレゼンツ カチャーシー・ア・ゴーゴー,Respect Record, RES-92.
ジャケとタイトルからするとポップスっぽいアレンジかと思いきや,純粋に古典楽器のみの正統派民謡。しかし,ひたすらカチャーシーのオンパレードなので,ハイテンションなこと請合い。そう言う意味ではむちゃポップです。ハイ。
■登川誠仁&知名定男,Respect Record, RES-79.
せい小(ぐゎー)さんのCDは見たら買ってしまうでよー。しかも知名定男さんとのコンビ。これはこれはゴーヂャスで渋い。ついでにCDブックレットもゴーヂャスで分厚い。CDケースの厚さもフツーのやつより2割増。(笑)
【12月13日本文追記】
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November 21, 2004 | Now Playing...
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morioさんとこのブログで見かけて以来,ウチにもずっと欲しかった「Now Playng」ですが,今日ようやく重い腰を上げてインストールしてみました。
■ Now Playing(なうぷれいん) http://www.big.or.jp/~crane/soft/nowPlaying/
まだまだ自分なりのカスタマイズができてませんのでブログのデザイン統一感が出てませんが,とりあえずペタ。morioさん,ありがと〜。:-)
続きもあります。>>|
November 16, 2004 | ジャズ四様
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先週の日曜日,久々に梅田のタワーレコードに行ってドカ買いをしてきました。前回CDを買ったのは4月のバッハ全集BOXだったから,実に7ヶ月も買わなかったのか〜。ま,前回買った枚数が多かったし,なにより仕事に追われそれどころじゃなかったという感じもあるけど,こんなにレコード屋にご無沙汰してたのは学生時代から数えても初めてかも。まったく文化的な生活してませんな〜。やはり心が乾く。No music, No Life だぜよ。
で,今回,いくつかテキトーにフィーリング買いをしてきましたが,そのなかからジャズもの感想をいくつか。
■Gary Burton and Makoto Ozone: Virtuosi, Concord Jazz, CCD-2105-2
一曲目がラヴェルの「クープランの墓」だったんで,思わず買ってしまいました。出だしはフツーのクープランの墓。でもよく聞くとピアノとヴィヴラフォンのどユニゾン。うーん,こりゃすごい。で,しばらく聞いてると・・・,おお〜っ! いつのまにかヴィヴラフォンのアドリブ〜。ラヴェルでスイングしてるよ〜。すげーすげー。かっちょいい〜。・・・てな感じでハマりました。「クープランの墓」はぽた郎が高校生のときピアノの発表会(笑)で弾いた曲なんで個人的思い入れがむちゃある曲なのですが,それを差し引いても,鮮やか!の一言。ゲイリー・バートンがすばらしいのは当然といえば当然ですが,小曽根さん,凄いです。脱帽。
■Kiyoshi Kitagawa, Kenny Barron & Brian Blade: ancestry, 澤野工房, AS042
日本人演奏家だから・・・,というわけではなく,単純にオマケのDVDに惹かれて買いました。なんてミーハーな選択・・・。でもこういうのって,得てして大当たりだったりします(オマケのDVDはぜんぜん大したことなかったけど)。リーダーはベースの北川潔でそれなりにカッコいいですが,歳の功というかなんというか,ケニー・バロン(p)が密かに目立って渋い! ところでスタンダードなNYジャズっちゅーのは澤野工房にしては珍しいのでは?
■Giovanni Mirabassi & Andrej Jagodzinski Trio, 澤野工房, DR003
ジョバンニ・ミラバッシが来日! しかーし。二日とも出張でライブには行けん・・・ま,いつものことだけど(T_T)。というわけで,ヤケ買いです。ミラバッシ目当てで買いましたが,あにはからんや,アコーデオンのアンドレイ・ヤゴジンスキーが凄い! ウチにはバンドオンのCDは増えてきたけど(ご多分に漏れずピアソラが多いですが),アコーデオンのいい演奏はないかの〜,とつねづね思ってたところです。これもテキトーなフィーリング買いの賜物。大当たりですわ〜。
■Marc-Andre Hamelin(piano): Nikolai Kapustin Piano Music, Hyperion, CDA67433
これは厳密にいえばJAZZではないかな。敢えて言えば「現代音楽」。でも一聴してこれはジャズです。二聴三聴してもやっぱりジャズです。が,しかし。スイングっぽくアドリブっぽく演奏されてますが,全部譜面に書いてあるそーです。しかもソナタ形式,バロック組曲形式,変奏曲形式・・・,手法は完璧にクラシック。こんな作曲家いたんですねー。曲は古き良きラグタイム時代のジャズ(+どことなくフランス印象派風)で,なんか微笑ましく口元が緩む懐かしさがあります。ハイ。ちなみに「Hyperion」というレーベルは古楽のレパートリーが充実してるぽた郎好みの秀逸なマイナーレーベルです。ま,いわゆるクラシック畑ですな。気が付かずに買ってきましたが,この組み合わせもなかなか。
というわけで,久々に音楽漬けで楽しんでる毎日です。うーん,いいね〜,音楽(と酒(と自転車))のある生活は。
今回はジャズのほかにもいろいろ買いましたが,ま,それは時間があればまた後日(と言ってちゃんと書いたためしはないが・・・(^^; )。
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August 28, 2004 | オリジナルCDを作る。
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C:4
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ぽた郎妹がおめでただそうで,おめでとうございます。で,早速,胎教によい音楽を送れ,との勅命を受けまして,せっかくだから最近よーやく使いこなせるようになってきた iTune でいろいろ遊んでみるべ〜,ということで,オリジナルCDを作ってみました。結構時間かかっちゃたけど(主にCDジャケとラベルを作るのに),まあおもろかったです。LPから自分のお気に入りの曲をかき集めてきてカセットテープに入れるのは学生時代せっせとやってましたが(懐かしき古き良き時代!),今やCDを自分で作れちゃうなんて。いや〜,時代は変わりましたね。それにしても iTune は便利やな〜。ツボを押さえてはります。さすが,アップル。
なお,CDジャケはいままで我々があちこちデジカメで撮った写真からセレクトして作ってみました。CDジャケとラベルはA-oneのラベル屋さんで作成。シートはそれぞれ400円程度(20枚入り),ソフトはMac版Win版ともに無料ダウンロード。結構使えます。かなりキレいに出来ます。
ところで,どんなオリジナルCDを作ったかというと,胎教によい音楽,ってことで,ぽた郎のお気に入りの静かな音楽を集めてみました。余談ですが,市販のぬるい癒しのなんちゃらミュージックとかよく売ってるヤツは,クラシックの名曲を集めてきただけの全然静かな曲ではないですよね〜。クラシック(狭義には古典派とロマン派)は基本的に起伏があるんで,必ずピアノとフォルテが混在すると思った方がよいでしょう。「静かなクラシック音楽」って(わずかな例外を除いて)基本的にはあり得ません。かといってベタベタなヒーリングミュージック(という言葉自体恥ずかしい)とかもちょっと耳に(鼻に?)つくし・・・。ということで,ここはぽた郎のお得意の「現代音楽!」でセレクトしてみました。いわゆる現代音楽って,グワァ〜ンとかガチョ〜ンとか,超やかましいのばかり思い浮かべる方もおられるかもしれませんが,実に多彩で多様性の認められたジャンルです。つまり,何でもアリ。ということは,ほとんど音のない静かな静かな音楽もアリ,てなわけで,実にこの世のものとも思われない美しい音楽も存在するわけです。というわけで,ぽた郎のおススメの静かな音楽の決定版はコレ。
- Quiet Music, volume I: Piano
- JOHN CAGE: In a Landscape (1948) by Margaret Leng Tan (piano), from "John Cage: Daughters of the Lonesome Isle", New Albion Record, NA070CD.
- ARVO PÄRT: Für Alina (1976) by Alexander Malter (piano), from "Arvo Pärt: ALINA", ECM New Siries, 1591.
- MICHAEL NYMAN: 1 - 100 (1976) by Piano Circus (4 pianos), form "PIANO CIRCUS: Fitkin/Nyman/Seddon/Rackham", Argo, 433 522-2.
- SOMEI SATOH: A gate into the Stars (1982) by Margaret Leng Tan (piano), form "Margaret Leng Tan plays Somei Satoh", New Albion Records, NA008ADD.
- GAVIN BRYARS: My First Hommages (1978) by Gavin Bryars (piano), from "Gavin Bryars: HOMMAGES", Les disques du Crépuscule, TWI027-2.
- Quiet Music, volume II: Instrumental
- BRIAN ENO: Music for Airports (1978) by Bang On A Can, from "bang on a can music for airports brian eno", POINT Music, 536 847-2.
- ARVO PÄRT: Spiegel im Spiegel (1978) by Vladimir Spivakov (violin), Sergej Bezrodny (piano), from "Arvo Pärt: ALINA", ECM New Siries, 1591.
- OLIVIER MESSIAEN: Quatour pour la Fin du Temps (Quartet for the end of Time) (1941), V. Louange a l'érternité de Jéus (Praise to the Eternality of Jesus), by Ida Kavafian (violin), Peter Serkin (piano), form "Tashi Plays Messiaen/Takemitsu/Webern/Stravinsky", BMG, BVCC-8899~8999.
- ARVO PÄRT: Spiegel im Spiegel (1978) 9:12 by Dietmar Schwalke (violoncello), Alexander Malter (piano), from "Arvo Pärt: ALINA", ECM New Siries, 1591.
- OLIVIER MESSIAEN: Quatour pour la Fin du Temps (Quartet for the end of Time) (1941), VIII. Louange a l'immortalité de Jéus (Praise to the Immortality of Jesus), by Ida Kavaian (violin), Peter Serkin (piano), form "Tashi Plays Messiaen/Takemitsu/Webern/Stravinsky", BMG, BVCC-8899~8999.
- GAVIN BRYARS: Sub Rosa (1986) by Gavin Bryars Ensemble, form "Gavin Bryars: Vita Nova", ECM New Series, 1533.
- Quiet Music, volume III: vocal
- JOHN CAGE: Litany for the Whale (1980) by Alan Bennet and Paul Elliott (voices), from "John Cage: Litany for the Whale, Theatre of Voices/ Hillier", harmonia mundi, HMU 907187.
- JOSQUIN DESPREZ: Ave Maria (c1400) by Hiliard Ensemble, from "Josquin Desprez: Motedts et Chansons", Toshiba-EMI, CC33-3328.
- GAVIN BRYARS: Incipt Vita Nova (A new life is beginning) (1989) by David James (countertenor), Annemarie Dreyer (violin), Ulrike Lachner (viola), Rebecca Firth (Cello), form "Gavin Bryars: Vita Nova", ECM New Series, 1533.
- WILLIAM BYRD: Ave Verum Corpus (c1605) by The Hilliard Ensemble, form "Byrd: Masses for 3, 4 & 5 voices", EMI-Reflexe, CDM 7 63441 2.
- HENRYK GRÉCKI: O Domine Nostra (1982) by Sarah Leonard (sporano), Christopher Bowers-Broadbent (organ), from "Grécki/Satie/Milhaud/Bryars", ECM New Series, 1495.
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July 24, 2004 | モートン・フェルドマンをご存じですか?
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クソ暑い時期,音楽を聞くこと自体がうっとうしくもなる季節でもありますが,この時期ぽた郎が聴く音楽は,やはり,納涼の音楽です。で,何を以て「涼しい」音楽とするか。ぽた郎的答えのひとつとしては,これ,モートン・フェルドマンであります。
音楽史的に申しますと,モートン・フェルドマンは「20世紀後半に活躍した作曲家。ジョン・ケージと親交が深かった。」とくらいにしかたぶん書かれないマイナー作曲家だと思います。ま,いまいち有名になれなかった理由もわからんでもないですが。でもそれこそがこのヒトの魅力かと思います。ぽた郎的偏見でひとことで表現すれば,「静寂の音楽家」。これに尽きると思います。
もちろん,若い頃のフェルドマンは重厚長大なオーケストラ作品を書いたりしてますが,晩年はケージやミニマル・ミュージックの受けてか受けざるか,どんどん編成を落とし音量を落とし,ついには記譜上で pp (ピアニシモ)や ppp (ピアニシッシモ)のみを指示するようになります。ちょうどミニマル・ミュージックの全盛時代,ライヒ,ライリー,グラスといったいわゆるミニマル御三家が初期ミニマルの単純さからどんどん乖離し豊穣で能弁なミニマルに発展していく時期,フェルドマンはそれを意識してかせざるか,その対局を行く孤高の作曲家として静かにひっそりとその作品群を発表していきます。フェルドマンを「ミニマル・ミュージック」に分類する評論家はあまり多くありませんが,語義的な意味(「極小音楽」)としては,まさにフェルドマンはミニマルのミニマル的存在といっても過言ではないでしょう。静寂の,結晶のように凝縮された,禁欲的な音列を聴くと,そう思わざるを得ません。少なくとも,ぽた郎はそう思います。
フェルドマンの(特に晩年の)曲は一聴して「退屈」です。ひたすらピアニシモ。メロディーなし,リズムなし,抑揚なし。似たようなフレーズが静かに,延々と繰り返され,しかし気が付くとちょっとずつ変わっていく。無限に続く冗長な音楽・・・,いや,音楽とさえも言えるかどうか。その点で,サティの「家具の音楽」の正統な後継者とも言えるかもしれません。なにものも表現しない,絶対的抽象的音楽。フェルドマンの具現したい音楽はそういった音楽の極北へのひとつの解答だったのかもしれません(そして,それこそが,20世紀の現代音楽の作曲家が目指したものだったのでしょうが)。あるいは,静寂の音楽。「音楽」という存在を自己否定してしまいそうなギリギリの表現,否,非表現。鉱物的・無機質的な煌めきとそれにも関わらず感じる静かな温もりは,まさに20世紀の(全てのジャンルに襲った)自己否定の混迷への,最後の肯定的な答えだったのだと,さらに混迷の21世紀に突入してしまった今からは,そう思えます。
というわけで,フェルドマンのCDはできるだけ集めてるぽた郎ですが,中でもお気に入りなのが,Hat Hut Records のシリーズ。特に Eberhard Blum が吹くフルートのシリーズはおススメです。写真,上から"Why patterns?" and " Crippled Symmetry" (2枚組),写真左下 "For Philip Guston" (4枚組),写真右下 "For Christian Wolff" (3枚組)。今や懐かしい「未来的」なタイポグラフィの箱ジャケも魅力的です。乾いた,凍れる音楽。断片的な無機質なフルート音色と鉱物のようなピアノ・チェレスタの響き。夏の暑い中,涼しく爽やかに響きます。 一曲あたり,CD2〜4枚。無限に循環し有機的に変遷する終わりのない音楽。おやすみの前に最適な音楽です(そのままかけっぱなしで寝ないよーに注意)。みなさまも,この夏,フェルドマンを一曲,いかがですか〜?
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July 18, 2004 | アフリカン・ビート!
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最近はヒマラヤ山脈並みの仕事の峠もようやく越え,土日は比較的ゆっくり過ごせるようになりました。昨日今日も昼間でたっぷり寝て(ぽた子さんは用事があって朝早く出かけていく),遅い朝昼ゴハンを食べ,ここ1・2週間たまってたブログを後追いで完成させる。夕方からおもむろに仕事をし(ちょっとだけ),夜はぽた子さんと一緒にゴハンを食べる。ああ〜,よい休日だねぃ〜。
ぽた子さんが出かけちゃった休日の昼間,ぽた郎はここぞとばかり大音響でオーディオをかけるのですが,さて今日は何をかけるか。ちょっと前まではバッハがマイブームだったけど,こうアヂいと重厚なバッハは(とくにオルガン曲などは)我慢大会以外のなにものでもないです。やっぱしバッハは冬の音楽だね〜(と著しく偏見)。
というわけで,ここ数日マイブームなのが,コレ。アフリカン・ミュージックです。写真はぽた郎が学生時代に集めたもの(の一部)。夏の暑い昼間,大音響でアフリカン・ドラムを鳴らすとなぜか涼しく爽やか〜。クーラーなしでも自然の清涼感が実感できます。みなさまもゼヒどーぞ。
ただし,ご近所迷惑には十分注意を。(^^)
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May 21, 2004 | Magnatune
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いかんな〜,ヤバいモノを見つけてしまった。
最近,バッハ全集を夜中に聞く時はMacのiTuneでかけてヘッドフォンで聴いてるんですが,今まで使わなかったけど,やっぱりこれは便利〜。まだ手持ちCDをライブラリ化したりはしてないけど(やりはじめたらキリがないしiPodも買うハメになっちゃうんで踏み止まってます),iTuneで聴くラジオはオモロい。
その番組の一つが,「Magnatune」http://www.magnatune.com/。
その中でも特にClassicalがタダものではない。ぽた郎の好きな古楽(Renaissance & Baroque)が延々とノンストップで流れる。これやヤバい〜。ヘッドフォンを離せなくなってしまう〜。これは麻薬だ〜。(笑) 明日も仕事なのに今日も夜更かし。あかんあかん・・・。
てなわけで,ハマりたい方は是非ドーゾ。(^^) → http://www.magnatune.com/genres/classical/
(iTuneからは「ラジオ」→「Classical」→「Magnatune Classical」でアクセスできます。)
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May 08, 2004 | カンタータ全集雑感・補遺
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C:2
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いろいろ書きたいことがあるが,まとまった時間がとれないので,取り急ぎ。備忘録的メモ。
● Joan Record関係
http://www.joanrecords.com
(Brilliant Classicsレーベルの発売元,Joan Recordのページ。ヘンなjavaを使ってるのでIEでしか見れないよーです。 )
http://www.joanrecords.com/classical/bach/bach-index.html
(Bach Edition のページ。リンクを辿ると演奏家情報が詳しく書かれてます。)
●対訳関係
http://www.emmanuelmusic.org/notes_trans/translations_cantata.htm
(カンタータ全曲英文対訳が掲載されている Emmanuel Music という団体のページ。レイアウトもキレイでありがたや〜。)
http://www.damo-net.com/uebersetzung/jsbach.htm
(カンタータ日本語対訳が掲載されているページ。全訳に向け進行中とのことです。ありがたや〜。)
●その他,バッハ情報
http://www.bach-cantatas.com/index.htm
(バッハファンなら知らない人はない(?),最強のバッハマニアページ。レコーディング情報網羅。すごいぞここは。)
http://pine.zero.ad.jp/kuzunoha/cantata/index.htm
(「バッハの教会カンタータを聞く」という個人の方の日本語ページ。教会暦順というのがありがたい。)
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May 03, 2004 | カンタータ全集雑感
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C:7
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さて,もろもろ諸事情でその場のナリユキで買っちまったバッハ全集160枚組ですが,そろそろ感想を書くことにします(なにせCD160枚1080曲あるんでまだ全部は聴き終わってませんが・・・(^^;)。 Brilliant Classicsなるあんまし聞いたことのないレーベルから出ているこのバッハ全集 ,まだまだマイナーなのか,ネットで検索してもなかなか情報を得ることができないんで,個人的評価にせよちゃんと情報提供しておいた方がいいですしね。買おうかどうか躊躇している方々のためにもね。(誰かとは言いませんが〜。(^^))
■BACH EDITION, Complete Works 160 CD BOX, Brilliant Classics(Joan Record), (p)+(c) 2001.
全集全体の評はまた別の機会にするとして,今回はとりあえずこの中に含まれているカンタータ全曲についての感想を述べてみることにします。演奏はすべて Pieter Jan Leusink 率いる Netheralnds Bach Collegium & Holland Boys Choir。このLeusinkについて,ぽた郎は全く知識がありませんでした(最近の演奏家については全然勉強不足なんで・・・。ぽた郎の知識は10年くらい古い。(^^; )。それでも思いきって買った理由のひとつが,Tower Recordのお店のおにーさんが「古楽器ですよ。演奏はまあまあ悪くはないですよ。」とひとこと。これでピーンと来ました。買ってみて聴いてみて結果は・・・,まったくその通り。さすが,Tower。売り場の店員さんはみんなマニアックでエライ。(^^)
Leusink & NBC の演奏はまさに「まあまあ悪くはない」のひとことに尽きます。確かに Leonhardt Consort や Bach Collegium Japan, English Baroque Soloists などに比べると演奏が若干粗い。特にBCJで手持ちの曲と直接比較すると差が歴然。これは致し方ないかも(ぽた郎はBCJびいき(^^))。NBCの演奏は何曲か続けて聴いていると,明らかにムラがあり好不調の波があります。しかしこれは,カンタータ全曲200曲をこれだけ短期間に(他の団体のように十数年に亘るシリーズではなく)レコーディングしまくるのだからしょうがないところでしょーか。年間140試合こなすプロ野球の試合のようなものだとお考え下さい。
とまあ若干の難点を述べてみましたが,全体としては非常に満足のできる演奏であるとぽた郎は思います。演奏スタイルは18世紀オーケストラを彷佛とさせるアーティキュレーションのキビキビした瑞々しい演奏で,多少のアラはどんとこいのダイナミックかつスピーディで好感の持てる雰囲気。恐らく(これはぽた郎の勝手な想像ですが)連日連夜のBach漬けのレコーディングでメンバー全員がトランス状態ハイテンションになりながらの演奏・・・ってな感じじゃないでしょうか(笑)。そういうイキのいい雰囲気が伝わってくる微笑ましい演奏だとも言えます。独唱陣もこれまたやはり若干のムラはあるものの,ヴィブラートをあまり多用しない透明感のある唱法。合唱団もヴィブラートを抑え,人数が多い割には濁らない爽やかさを出してるのはオランダ系としては希有なところ(ってのは偏見?(^^; ぽた郎はイギリス系の声楽アンサンブルが好き)。さすがは Leusink の手兵,といったところでしょうか。
ちなみに難点といえば,演奏の水準ではなく,レコーディングとライナーノートにあると言えるでしょう。録音はあきらかにマルチマイクを多用しており音像が人工的で透明感がない。これは古楽器演奏としてはむしろ珍しい古典的録音と言えましょう。これは残念〜。もちろん,単にぽた郎の好みからくる感想で(ちなみにぽた郎は長岡鉄男教です(^^; ),聞き苦しいデメリットでは決してありません。ライナーノートはちょいと致命的な問題点があります。ライナーノートは500頁超で各曲の解説などは比較的わかりやすい英語で丁寧に書かれてるんでまあまあよいですが,声楽曲は対訳がまるでなく,すべてドイツ語歌詞の羅列のみ。これはツラい〜。せめて英語訳くらいは載せといてくれよ〜(x_x)。ちなみに曲の順番は脈絡がなく,BWV順でも作曲年代順でもありません。お目当ての曲が探しづらいのもやや難点か。
というわけで,多少の小さな「いちゃもん」はあるものの,これだけの水準の演奏が,他の器楽曲もおまけについて4万5千円で手に入るのであれば,文句無しでしょう! ちなみに,カンタータだけの全集も2〜3万で売られているようです。さあ,みなさまも一家に一台,Bach全集どうです?(←物欲沼へのお誘い(笑))
続きもあります。>>|
April 29, 2004 | 114が聴きたくて・ことの顛末
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C:8
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ことの発端は,こぐさん日記で「一粒の麦」論が流行った(てゆうかぽた郎がけしかけた・・・?(^^; )ことにあるのデス。けしかけた(?)にしては間抜けなハナシで,実はこぐさんちに書き込んでから書庫を大捜索した結果,ウチにないことが判明(理由は後述),恥ずかしながら慌てて大阪中のCDショップで探してた次第。その間,クラフトワークやらジャコパスやらECMやら余計な魚も釣り上げちゃいましたが(^^)v,ようやく捜索すること三週間目にしてゲットしたわけです。やはりというかなんというか大都会東京,手に入らんものはないですね・・・。さすが。
「一粒の麦」。正確には「一粒の麦,地に落ちて死なずば,唯一つにて在らん,もし死なば,多くの果を結ぶべし。」 のヨハネ伝の有名な一節ですが,ぽた郎はこのフレーズは聖書よりも先にバッハで知りました。高校生の頃,たまたま図書館で借りてきたLP(LP!というのが時代を物語りますが)にヘルムート・リリンクのバッハ全集のうちの一巻がありまして,それに入ってました。それがカンタータBWV114です。図書館から借りてきたLPはカセット(カセット!というのが時代を・・・以下略)にダビング(ダビング!というのが時代を・・・くどいか(笑))したのですが,その後引越を何度か繰り返すうちに無くしたか捨てたか実家に眠っているのかわからない状態になり,真夜中の大捜索の結果,現在の我が家に無いことが判明したわけです。
BWV114自体は"Ach, lieben Christen, seid getrost"「ああ,愛しきキリストの徒(ともがら)よ,雄々しかれ」というタイトルが付いていますが,その4曲目のソプラノ・ソロのコラールが"Kein Frucht das Wizenkörnlein bringt, Es fall denn in die Erden."と歌います。リリング版のライナーノートのコピーがぽた家書庫にかろうじて残ってましたが,磯山雅氏の解説によると,
死の意義を語る,「一粒の麦」のたとえ。通奏低音の性格的音型を伴ったコラール・ソロであるが,シュバイツァーは,この音型が「播く人の腕が種を地面に散らす動きと,殻粒が落ちるさま」を描くと解釈している。とあります。リリンク版では通奏低音は(おそらく,ぽた郎の記憶によると)ポルタティフオルガンのみで,半音階的上昇とトリルを静かに執拗に繰り返すフルート・ストップのオルガンと,祝詞のように抑揚のないソプラノのコラールが妙に印象的でした。
というわけで,カセットも行方不明になるくらい実にもう20年近くも聴いていない曲ですが,不思議とこのフレーズだけはよく覚えていて,記憶の波に揉まれ多少アレンジされながらも,ぽた郎の頭の中にときおり鳴っては止み,止んでは鳴りをくり返していたのでした。こぐさん日記で「一粒の麦」というフレーズを見つけ,その曲が頭の中でまた鳴りはじめ,いてもたってもいられず,ネットやCDショップで探しまわり,ようやく20年ぶりに再開が叶ったわけです。出張先の東京から重いCD-BOXを抱え新幹線に乗り込み(アホや・・・),家に付くまで待てず座席でごそごそと包装を解きBOXを開け(隣の方ゴメンナサイ),お目当てのCDを取り出し,PowerBookで再生。新幹線の走行音と振動と缶ビールの匂いの中で,ヘッドフォンでひとりこっそりとうつむきながら,実に20年振りに古き友人に再会したのでした。古き友人はちょっと面持ちも変わってましたが(ぽた郎の記憶の中でだいぶ「編曲」されちゃったのと,古楽器を使った演奏でリリンク版より洗練されたのと),やはりずっと思ってた通りの「彼」でした。
たった2分7秒の曲のために160枚もCDを買うなんて!とぽた子さんもあきれた顔をしてましたが(そりゃそーだ,フツー),個人的にはそのため「だけ」だとしても充分価値あるものでした。もちろん,そのれ以外の曲も非常に愉しめ,充分元を取ったよい買い物でしたが。
それにしても,なんでこんないい曲が有名じゃないんだーっ! これが単品で出てたらこんな苦労しなかったのにーっ! ・・・ともあれ,コストパフォーマンスのよい全集BOXが手に入ったのだから,結果オーライ?( ̄▽ ̄)
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April 28, 2004 | 114が聴きたくて
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C:7
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えへへへへ〜・・・。買っちった。Bach全集CD全160枚組。渋谷Towerで45,559円ナリ。でへへ。
続きもあります。>>|
April 20, 2004 | Tour de France
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C:2
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タイトル的には「軟弱ポタリング日記」のネタ・・・と思いきや,やはりここは「形而上」ネタ。なぜならばここで取り上げるのはアームストロングでもパンター二でもなく,クラフトワークだからなのだ。(^^)
■ KRAFTWERK: Tour de France, EMI, (c)2003
■ KRAFTWERK: Aerodynamik, EMI, (c)2004
先日久々に梅田を徘徊したときに,別のターゲットを探しにCD屋に入りお目当てに辿り着けず,ヤケ買いの獲物を探してウロウロしてたところ(こーゆー状態が一番ヤバい),そーいえば昔こぐさんちでクラフトワークの記事があったな・・・,と思い立ってゲットした次第。某店ではクラフトワークはなんと「Techo」でも「House」でもなく,「Rock/Pops」のコーナーにありました。クラフトワークは今やポップスか・・・。まあいいけど。
普段,音楽は外に持ち出さないぽた郎ですが(必要があればお気に入りを脳ミソの中で流す),この手の電子音楽はやはりiPodに入れて外でガンガン聞きたいですね・・・,自転車を漕ぎながら。とまた一つ煩悩の元が増えちゃったりして。
ところでこの記事を書きながら,せっかくのBGMはやっぱしクラフトワークでしょう!と"Tour de France"をiTuneでかけながら"Aerodynamik"のページにアクセスしたら・・・,両方同時にかかってしまいました。"Tour"と"Aero"の二重再生。リズムがビミョーにずれるのはミニマル的? うーん。細胞が沸騰しそうになるほど鳥肌立ちました(イイ意味でも悪い意味でも)。サイケでトランスなクラフト体験。みなさまも是非ドーゾ。(笑)
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March 14, 2004 | AMBIENT
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■Harold Budd/ Brian ENO: AMBIENT2 The Plateaux of Mirror, EG Records (1980).
ぽた子さんが書庫の奥から何を思ったのかたまたま掘り出してくれた。実に10年ぶり?くらいに聴く。AMBEINTシリーズはいちおう全部持っているにも関わらずここ数年はイーノ自身の”Music for Airports”くらいしか殆ど聴いていなかったが(その理由を自分なりに思い出しながら考えると,やはり一曲一曲の曲の短さに起因していると思う。”Music for Airports”のようにいつまでもいつまでも続く,無限の螺旋のような気怠い音楽を私は求めているのかも知れない),久々に聴いてみると,アンニュイな日曜の午後にはぴったり。決して不協和音を含むことの無い安定した調性感はやや感傷的で鼻につくキライもあるが(と思うこと自体が天の邪鬼的な私の偏見だが),ボリュームをうんと絞って聴くと,静かで,美しい。窓の外から時々聞こえる車の走行音,子供の歓声,鳥の鳴き声(そういえばもう春か!)。それらのノイズをかき分けながら微かに聴こえる音楽を聴くともなく聞くこと,それ自体がアンビエントのアンビエントたる由縁だということに改めて気がついた。CDが終わり,街のノイズだけが残る。ふと見渡すと,部屋の中はもう暗い。静かで,よい日曜日だ。
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February 09, 2004 | ”Three Tails”
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■Stive Reich: ”Three Tails”, Nonsuch(CD&DVD)
先週買ったのだが,さすがにDVDをまとめて観ているヒマがなかったので,今日になってようやく観る。
うーん。すばらしい・・・。すばらしいが,安易に感想がかけるようなシロモノではない。「感動した」なんていう薄っぺらな言葉では表すにはあまりにも畏れ多い,深く深く唸らせる作品だ。もう少し,考えが沈澱するまで時間をおいて,また書こう。
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January 31, 2004 | CDを買う
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久々に梅田に出て,CDを買う。懐かしいもの,新しいもの。時間があれば書きたい。
・Saval & HesperionXX: Antonio Cabezon
・Hilliard Ens.: Morimur (Bach ViolinPartita)
・John Potter: Dawland Project
その他
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January 25, 2004 | LP復活
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実に何年ぶりだろう。フォノイコライザーを買って来て,LPプレーヤーを復活させる。
学生時代,擦り切れるほど聴いたクープランのヴィオール曲をかける。
針を落とすと,六畳一間の狭い下宿で,夜中にひとりスピーカーに対峙する15年前の私が,そこにいた。