July 15, 2005 | 「衝動買い日記」を衝動買いする。

旅先で本屋に飛び込むのは楽しい。じっくり時間があるときに古本屋で舐めるようにして背表紙を追っていくのも愉悦であるが,例えば発車10分前の駅構内の小さな本屋で文庫本を電撃に抜き取るのもスリルがあって面白い(註:決して万引きではありません。ちゃんとレジに持ってきます(笑))。旅の名物や名所とは全く関係がないが,そうした本たち(の記憶)も土地の匂いが染みついた立派な旅のお土産にほかならない。

鹿島茂:「衝動買い日記」, 中公文庫 (2000-2004).

さて,今回の旅で電撃的に引き当てた文庫本がコレ。その名も「衝動買い日記」。まさに衝動的に手が伸びました(笑)。鹿島茂とは,知る人ぞ知る物欲大魔神(失礼!)の大センセイ。なにせ「馬車が買いたい!」「子供より古書が大事と思いたい」などのショーゲキ的なタイトルの書物をお書きになる方。古書マニアとは蓋し斯くありなん。以て我が師とす。いつか見てろよ俺だって。欲しがりません勝つまでは(これは違うか)。・・・というほどぽた郎が愛して止まないステキな文章(そして物欲情報)をお書きになる方です。

と,崇拝している割には今頃になってしかも文庫本を古本屋で買ってくるシブちんのぽた郎ですが,まあそこはやはり,買うべきときに買った,という絶妙のタイミング。やはり本に呼ばれた,と言えましょう。タイトルのごとく,この本は物欲(しかも即物欲とでも言うべきか)のオンパレード。例えば・・・「腹筋マシーン」「ふくらはぎ暖房器」「猫の家」「男性用香水」「体脂肪計」「ごろねスコープ」「封書用ペーパーナイフ」「中華健康棒」「ミュージアム・グッズ」「しちりん」「毛沢東・スターリン握手像」・・・などなど。最後のブツなぞはみうらじゅんの「いやげもの」に近いパワーを発しています。しかもその値段はいやげもの価格にあらず。さすがです。その他全編に亘って,この鹿島センセイの物欲に対するダメダメぶり,実に微笑ましいです。天晴れ。おもしろうて,やがて哀しき衝動買い。衝動買いだよ人生は! ちなみに,鹿島教授の流儀では書籍は衝動買いにあらず(一件だけ例外的に75万円の挿絵本がリストアップされてますが)。この理論もむちゃむちゃですが素晴らしい。実にお手本になります。ウム。

ところでこの本,通勤電車の中ではお勧めできません。思わず吹き出したり身を捩りながら笑いを堪えたりして回りから白眼視されるから。日曜日の散歩の供にもお勧めできません。帰ったら首を傾げたくなる妙なシロモノを手に取ってレジに並んでしまう可能性があるから。給料日前の財布が侘びしいときに自宅で静かに心を空にして読みましょう(間違ってもクレジットカードを手に届くところに置いたり,ネット通販のサイトを開きっぱなしにしないこと!)。

さて,まさに我々(「我々」? そう,「我々」だ。そう,そこのあなた!)のバイブルのようなこの「衝動買い日記」ですが,この本を読んで,我が身を振り返ると・・・。スミマセン,ちょっと反省。よく考えたら,ワタシ,普段から決まったものしか買ってないのねン。本,CD,酒,(たまに)黒い服,本,CD,酒,(たまに)自転車,本,CD,酒・・・。嗚呼,なんて予定調和的な平凡な人生。こうやって自分の血となり肉となる有益な物しか所詮買う勇気がなかったのか・・・。私って衝動買いが出来ないチッポケな小市民なんですね。スミマセン,負けました。大センセイのようになるにはまだまだ修業が足りん・・・。

・・・とひとりごちてたら,ぽた子さんに「アホちゃうか」と一蹴されてしまいました。あーまた今日もぽた子さんに怒られちった。( ̄▽ ̄)
 

Category: 1. book
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