June 04, 2004 | その後の Ave Verum Corpus
「死体」論,気になって仕方ないので(^^;,ひきつづき。今度はラテン語の「corpus」も調べてみました。こちらはあんまし大きい辞書じゃないけど,とりあえずぽた家文庫にあったヤツ(Cassel's LATINE & ENGLISH Dictionary)。
Corpus n. body, substance, matter; esp. the body of men and animals; flesh, the trunk; sometimes a corps. Transf., a person, "a body"; the "body politic"; in gen., the main mass of a thing.なるほど,なるほど。ラテン語のオリジナルでも「生体」「死体」両方の意味があるのねん。これはカエサル時代からの古いラテン語でもそうなんでしょうか?それとも中世以降の教会公用語となった頃からなんでしょうか?このへん詳しい本をあたってみる必要がありますね・・・。うーんドロ沼にハマりそう。
Qyouさんもキリスト教との関連性を示唆されていましたがぽた郎としても,「生体」「死体」両者の意味を持つのは,やはりキリスト教の思想に由来するのではないかと思います(現段階ではあくまで私見ですが)。「Corpus Christi」というと,やはり十字架にかかったキリスト像を思い起こすように,生物学的には屍となった(それゆえに宗教的には超越的な存在になった)「肉体」ですよね。さらに,Mozartで有名な(ぽた郎の趣味的にはWilliam Byrdですが)「Ave Verum Corpus」はラテン語典礼文を書き下すとこうなります。
Ave verum corpus natum Ex Maria Virgine, Vere passum, immolatum In cruce pro homine, Cuius latus perforatum Vero fluxit sanguine, Esto nobis praegustatum, Mortis in examine, O clemens, O dulcis Jesu, Fili Mariae.
幸いなるかな処女マリアより生まれ出づる御体よ。人のため,十字架の上で苦しみ,脇腹を貫かれ,血を流し給う。願わくは我らにその御体を味わわせ給え。慈悲深く優しいイエスよ,マリアの御子よ。 (ぽた郎訳)
うーん。非キリスト教徒にとってはやはりショッキングな表現です(キリスト教徒の方,すみません)。「死」あるいは「死体」のイメージがそこには色濃く現れてますね・・・こうやって改めて日本語訳を見てみると。あの美しいメロディからはなかなか想像し難いところです(少なくとも非キリスト教徒にとっては)。もともと原始キリスト教にはカニバリズム的なイメージがあるとよく指摘されていますが,「死体」のイメージは日本語(あるいは漢字)が与えるインパクトほど不浄で隠蔽すべきものではないのかもしれませんね。このあたり,お詳しい方のご意見を仰ぎたいところです。
もひとつオマケに「body」の類語について調べてみました。こちらはまたしてもWebster's Encyclopedic Unabridged Dictionary。
BODY, CARCASS, CORPSE, CADAVER agree in referring to a physical organism, usually human or animal. BODY refers to the material organism of an individual man or animal, either living or dead; the muscles in a house's body; the body of victim (man or animal). CARCASS refers only to the dead body of an animal, unless applied humorously or contemptuously to the human body: a sheep's carcass; Save you carcass. Corpse refers only to the dead body of a human being: preparing a corpse for burial. CADAVER refers to a dead body, usually a corpse, particularly one used for scientific study: dissection of cadavers in anatomy classes.ちなみに「body」は明らかにゲルマン語系ですが,ぽた家所蔵のいくつかの語源辞典には「body」に関しては全く記載されてませんでした。うーん。どこから来たのかこれもナゾ。古ゲルマン語でも「生体」「死体」両義だったんでしょうかね? どなたか教えて〜。(^^)
Corpus Christiですが、人の子イエスが十字架にはりつけられて処刑され、復活してキリストになったのだと、どこかで読んだか聞いた記憶があります。
はりつけ前がイエスでキリストは復活後だとか。
超遅レスですみません。もう解決しましたか?
このスレッドに直接関係は無いと思いますが、ぽた朗さんの興味の方向性に幾分か近い可能性のある本を偶然発見しました。 Amazon.comにあります。 ちょっと古いらしいのですが、面白そうです。
Restless Dead: Encounters Between the Living and the Dead in Ancient Greece
by Sarah Iles Johnston
Bodyという単語は、古代ゲルマン語辞典(英語のものは無くてドイツ語のみのようです)を読まないと分からないみたいですね。 まだ未解決のようでしたら、すぐにではありませんが、何かの折に見てみます、というかべたでどこかに載せます(爆)。ドイツ語に堪能のお友達がいらっしゃるようなので、もし難しくても大丈夫ですよね! ←見てもいないのに、敗北の気配が漂う情けない私でした。
................. by Porepore (06/11 20:32)なんて書いて、ちょろってみてみたら、
http://www.esbooks.co.jp/books/detail?accd=19977635
こんな立派な本が売っているんですね~。 これならあるかもデスよね。 さらに日本語!
ほうほう・・・。Poreporeさん,情報有り難うございます。「英語語源辞典」,26,250円か〜。チト高いな。(^^) この手の辞典は図書館でチェックするに限りますね〜。今度調べてみたいと思います。Poreporeさんも追加情報あれば是非〜。(貴ブログで期待しております〜。)
................. by ぽた郎 (06/12 20:33)「類語辞典」を昨日見てみたのですが、Bodyに関しては、OEDに書いてある以上のことはありませんでした。 やっぱ、Deutscheの語源辞典にレッツチャレンジ~のようです。 はっはっは・・・。
................. by Porepore (06/21 12:11)「類語辞典」←もちろん「語源辞典」の誤りです。 すんません。
................. by Porepore (06/21 12:12)Poreporeさん,どうもレスがすっかり遅れまして。Deutscheの語源辞典,頑張って下さい〜,期待しておりまする。(^^)
................. by ぽた郎 (06/25 23:42)