February 08, 2004 | 高橋源一郎の書評はすごいよね。
■高橋源一郎:加藤典洋「小説の未来 テクストから遠く離れて」への書評(朝日新聞2004年2月8日(日)書評欄
とりあえず引用する。
さて。いわなきゃならないことがある。わたしは,ずっと,書評やら評論やらに出てくる小説の読み方」が不満だった。ひとことでいうなら「違う!」のである。解釈が間違っているとか,価がおかい,といった問題ではない。それ以前に,なにもわかっていないのだ。高橋源一郎はすごい。この人の批評はすごい。凡百の評論家(と自称する人々)がまさしく「小説の噂話」しかしない昨今,これだけ正鵠を得た,しかもわかりやすく温かみのある批評をする人はどれだけいるだろうか(ちなみに加藤典洋は正鵠は得ているがあまりわかりやすくも温かみもない。もちろんそれは欠点ではなく,怜悧な分析こそがこの人の売りだと思うが)。文芸批評の書評,つまりメタ批評を書かせたら高橋源一郎は日本一の批評家だ,と少なくとも私は思う。批評家・高橋をメタ批評してる本ってありませんかね?
小説家は苦しんでいる。誉められないから? 売れないから? それもある(確かに)。もっと苦しいのは,誰も「現場」に降りて来ないからだ・・・では,よくわかんなかいか。
比喩でいおうね。小説家は地下の坑内で孤独に作業をしている。そこは暗い。手元は真っ暗。でも,掘り続けなきゃなんない。遠くから,ざわざわと「小説の噂話」をしている声が聞こえてくる。バカみたい。その時,小説家の後方から,その手元に向かって,さっと強烈な光が投げかけられ,一瞬,手元が明るくなる。あっ,手さぐりで掘ってたけど,ここって,こんなに広かったのか。ありがたい。欲しかったのは,この「サーチライト」だったのだ。
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1. book
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